損益相殺
(1) 本件販売継続による販売利益等
C社は,本件販売継続によりその販売利益及びフランチャイズ店舗から
のロイヤリティを得ているから,その総額は損害額に対する損益相殺に供
すべきものである。
(2) ロイヤリティの減少分
C社がHのため6300万円を一時的に立替払したことによって,C社
はHとの間の技術指導契約に基づくロイヤリティの支払が減少するという
利益を享受しているから,その総額は損害額に対する損益相殺に供すべき
でものある。
(3) その後の販売利益
C社は,平成12年12月から平成14年5月までの間,◎◎の販売を
継続し,これにより販売利益を得ているから,その総額は損害額に対する
損益相殺に供すべきものである。
四抗弁に対する認否
抗弁はいずれも争う。
理由
一当事者
請求原因1の事実は,被控訴人と控訴人Aとの間に争いがない。
請求原因1のうち,C社は,定期訪問レンタルサービスから店舗販売による
フードサービスまで,さまざまな業態でいわゆるフランチャイズビジネスを展
開する会社であるが,その一部門として,ドーナツやアメリカンコーヒー等を
小売販売するEフランチャイズ事業を展開していること,被控訴人は,平成1
5年1月14日当時6か月前より引き続きC社の株式を有する株主であるこ
と,控訴人Bは,平成12年6月C社の取締役(フードサービス事業グループ
内のEフランチャイズ事業本部長)に就任し,平成13年12月取締役を退任
したことは,被控訴人と控訴人Bとの間に争いがない。
二いわゆる◎◎事件
請求原因2(1)のうち,C社は,Eフランチャイズ事業本部が担当して,◎
◎の販売を企画し,Dにその製造を委託し,Dの系列会社の中国の工場での製
造に係る◎◎を輸入し,平成12年4月からそのテスト販売を開始したこと,
請求原因2(4)のうち,C社から,Fに対し,3300万円を支払ったこと,
請求原因2(5)のうち,平成14年5月20日,マスコミにより,C社が販売
した◎◎に日本国内で使用が禁じられているTBHQが混入されていた旨の報
道がなされたこと,同月23日,C社本社が,大阪府警による食品衛生法違反
の嫌疑に基づく捜索を受けたこと,同月31日,C社が,大阪府知事より,食
品衛生法6条違反のTBHQ混入の◎◎の販売を理由に,中国で製造された◎
◎につき,仕入及び販売の禁止の行政処分を受けたことは,被控訴人と控訴人
Aとの間に争いがない。
請求原因2(1)の事実,請求原因2(2)のうち,Eフランチャイズ事業本部内
の商品本部プロダクトマネージャー統括部長であるTは,平成12年11月3
0日,Gから,◎◎にTBHQが混入している旨の指摘を受け,Eフランチャ
イズ事業本部長である控訴人Bにその旨報告したこと,同年12月2日,Dが
中国の工場の操業を停止させたこと,Dは,TBHQの代わりに食品衛生法上
認可されているHPW-43E(ビタミンE)を使用することとし,中国の工
場における◎◎の製造を再開したこと,請求原因2(3)のうち,控訴人らは,
TBHQ混入の◎◎の在庫品について,同混入の事実を公表することなく,か
つ,出荷停止,販売禁止,廃棄処分等の措置をとることもなく,全国のE店舗
において販売を継続することとしたこと,請求原因2(4)のうち,C社から,
平成12年12月13日800万円,同月15日2500万円,平成13年1
月18日3000万円,合計6300万円を拠出したこと,請求原因2(5)の
うち,「E調査委員会」が設置されたこと,マスコミが報道するまで本件混入
に関する事実は一切公表されなかったこと,控訴人Aは平成13年6月C社の
専務取締役を退任し,控訴人Bは同年12月取締役を退任したこと,平成14
年5月20日,マスコミにより,C社が販売した◎◎に日本国内で使用が禁じ
られているTBHQが混入していた旨の報道がなされたこと,同月23日,C
社本社が,大阪府警による食品衛生法違反の嫌疑に基づく捜索を受けたこと,
同月31日,C社が,大阪府知事より,食品衛生法6条違反のTBHQ混入の
◎◎の販売を理由に,中国で製造された◎◎につき,仕入及び販売の禁止の行
政処分を受けたことは,被控訴人と控訴人Bとの間に争いがない。
上記各争いのない事実に加えて,甲第1,第2号証,第3号証の1,2,第
4号証の1ないし3,第5号証,第71号証,第75号証の1,3ないし5,
8,10,第84号証の1,2,第95ないし第97号証,乙イ第5,第6号
証,ウ第1ないし第14号証,第17号証,第18号証の1の2,第24号証
の1,2,第25号証,第26号証の1ないし4,第28ないし第31号証,
第32号証の1ないし4,第33号証の1,2,第34ないし第37号証,第
39,第40号証の各1,2,第41ないし第44号証,第46号証,第50
ないし第52号証,第54,第55号証,第58ないし第62号証,第64な
いし第68号証,第70ないし第72号証,エ第1ないし第3号証,第4号証
の1,第9号証の1ないし3,当審控訴人らの各本人尋問の結果並びに弁論の
全趣旨によれば,以下の事実が認められる。